2012.10.17
伊豆近代文学博物館
法人部 内田ふ です。
先日、子供につき合わされて、地元天城の散歩をしました。
目的地は、伊豆近代文学博物館です。この博物館は、伊豆市湯ヶ島の昭和の森会館の中にあります。道の駅「天城越え」に併設されていますので、ご存知の方もいらっしゃるのではと思います。
私自身も知らなかったのですが、伊豆の自然の美しさや人情ぬくもりに、多くの文学者が伊豆を舞台にした作品を作っており、近代文学だけでも150名に及ぶのだそうです。この伊豆近代博物館では、伊豆にゆかりの文学者120名の資料を展示しているということで、驚きました。
「井上靖」のコーナーが大きくとられていました。
井上靖は、3歳から小学校時代を湯ヶ島で過ごし、この時代の生活は自伝的小説「しろばんば」に描かれています。主人公の「洪作」と「おぬい婆さん」が二人で生活した蔵の2階が復元されて展示されていて、ちょっと切なくなるような気持ちになります。
博物館の建物から外に出て森に向かって歩くと、水路には水車小屋があり、その向こうには「井上靖旧邸」があります。
この建物は、湯ヶ島よりこの昭和の森に移築されました。
この移転事業には、我社も携わっており、かなり大変な仕事だったようです。湯ヶ島からこの昭和の森まではかなりはなれていますので、建物を解体せずにそのまま運ぶことができず、柱や梁、根太などに番号をふって丁寧に解体し、昭和の森に運び、新しい基礎の上にそれを元の通りに組立てていったそうです。見事に再現された旧家は、昔はあたり前だった「田の字」の間取りで縁側があり、オレンジ色の白熱球の照明があたたかみがあり、素敵でした。
便利もいいけど、不便さもどこか懐かしい…。この建物を見ながら、昭和の時代を思い返すことができました。