2017.03.06
上巳、春の節句
あれもこれも担当の千葉です。

 

今日は朝方から小雨が降っています。春先の雨は『催花雨(さいかう)』と

いうお洒落な名前がついていて、一雨ごとに暖かくなり花々の開花を促して

いる様を言うのですね。今年も穏やかな桃の節句を迎えることができました。

雛祭りに間に合わせんとばかりにモクレンが開花しました。



年に何度か、季節や催事に合わせた美味しいお茶を戴くという貴重な会があり、

お呼ばれして来ました。今回のお題は『お雛様をお迎えして    春先のお茶は』。

春先のお茶として選ばれ、飲み比べたのは『浅蒸し』のお茶。山のお茶として

『はるみどり』という川根のお茶と、里のお茶として牧之原のお茶。牧之原は

維新後に渋沢栄一翁が職を失った幕臣たちを引き連れて茶畑を開墾したところ

です。



山のお茶は85℃で1分半。柔らかい春の上品さにピッタリのお味。雑味が

全くありません。二煎目も結構美味しく戴けました。里のお茶は70℃強で

2分。柔かい中にも苦味と旨味が混じります。こちらは一煎目から二煎目への

落差が大きく、その意味では贅沢なお茶です。全く雑味の無い山のお茶のよう

なお味はなかなかお目に掛かる機会が少ない、貴重なお茶でした。



お茶菓子に田子の月さんのお雛様。白餡を羽二重でくるみ、羊羹のおべべを

纏った可愛い子達でした。



おご飯は蛤の雛寿司。お汁が池波正太郎の梅安料理帖にある『大根と浅蜊汁』。

貝のお出汁が効いて美味しゅうございました!



食後のお茶に、徳島県は宍喰(ししくい)の寒茶。遅い時期に葉を摘み、天日干し

にした粗削りのお茶。味を『どくだみ茶と紅茶のあいの子』と評したら受けて

いました。



晩に寄ってくれた友人のお土産が、寒川神社の八福餅。お雛様のような桜餅。

雛尽くしの一日でした。