2013.05.13
私のお気に入り~エルヴィス・プレスリー~NHK・Songsから
あれもこれも担当の千葉です。
今回はちょっと軽めにポップスのお話。
私のお気に入りのテレビ番組に『NHK Songs』があります。毎回30分で1人の
歌手をドキュメンタリー風に紹介します。先日は大好きなエルビス・プレスリーが
紹介されました。1973年1月に、ハワイから全世界に衛星中継されたコンサート、
『エルビス・アロハ・フロム・ハワイ』をメインに据えた構成でした。私が中学2年生、
姉の友人のこれまたエルビス・ファンのお宅に集まってテレビに齧り付いて見たの
を、今でもはっきりと憶えています。私がお小遣いで最初に買ったLPもこのコンサ
ート2枚組みでした。
エルビスは白人ではありながら、音楽のバックグランドは教会音楽のゴスペルや
黒人音楽のブルーズ。折からのブームのロカビリーがエルビスに取り込まれて
彼ならではの音楽、ロックに昇華し、ロックの王者と呼ばれるようになりました。
1956年、メジャー・デビューの年に、エド・サリバン・ショーに出演した時の視聴率
はなんと、82.6%。まさにスタートからセンセーショナル、衝撃的だったのですね。
エルビスは生涯に33本の映画に主演しています。主題歌や挿入歌で名曲を
山のように世に送り出します。が、コンサートからは遠ざかり、どこか新鮮味を失
って行き、60年代後半はビートルズなどの後塵を拝することとなりました。
エルビスがコンサートに戻って来た’69年から’70年のステージをドキュメンタリ
ー風に仕上げたのが映画『エルビス・オン・ステージ』。1枚もののLPが3組の
ボリューム。マントつきのジャンプ・スーツ姿が一世を風靡しました。
1971年、私が中学1年生の時でした。『エルビス・オン・ステージ』とビートルズの
『レット・イット・ビー』が、奇しくも同時にロードショーでやって来ました。沼津の映画
館ではビートルズの方が満員で悲しい思いをしたのを憶えています。(1970年は
ビートルズとS&Gサイモンとガーファンクルが解散した年で、ショッキングな年で
した。)’72年には2番煎じで『エルビス・オン・ツアー』が上映されましたが、こちら
は声に張りと艶がなくなり、どうしたエルビス、と不安に思っていました。
’73年1月のハワイからの衛星中継は、36カ国、15億人が視聴したと言われて
います。日本のゴールデン・タイムに合わせ、ハワイ時間深夜0:30開演という
変則コンサート。日本での視聴率は37.8%。
オン・ステージに比べても随分とジャンプ・スーツが窮屈になっていますが、残念
なことに、それから4年後の夏、メンフィスはグレース・ランドでこの世を去ります。
42歳の若さ。
私にとっての栄光のエルビスは、’68年、長くコンサートから離れていたエルビス
が、スタジオで少数の聴衆の前で収録したNBCのTVスペシャル・ショー。何度見
ても、何度聞いても『シビレ』てしまいます。歌いたくて歌いたくてたまらないかの
如く、抑えても押さえても震える声が溢れてくるようなステージです。『If I Can
Dream』などは、さすが王者エルビスと唸らせる出来です。是非一度ご視聴を。