2013.10.24
台風のダンス~藤原の効果
あれもこれも担当の千葉です。

 

先日の台風26号は、伊豆大島などに甚大な被害をもたらし、まだ捜索も復旧も終

えない内にまたまた台風が接近してきています。しかも27号と28号の二つが一遍

に。どうか皆様におかれましては、事前の十分な対応をされ、被害のないことを心

より祈念申し上げます。



これは昨日(10月23日)の日経新聞朝刊の記事です。今年は台風の発生の多い

年のようです。今年はこれで28個目。1994年の36個の発生以来19年振りに30

個を超える可能性があるそうです。また、9月になって8個の発生(例年の1.7倍)、

10月になって5個の発生(平年は3.6個)と、遅くまで台風の発生がある年でもあ

るようです。今回の台風は、台風の接近よりも大分前から前線が刺激されて広範

囲で大雨が降る恐れがあるとのこと、十分な備えをして、被害のないようにしたい

ものです。

 

また記事には、今回のように2つの台風が接近すると、『藤原の効果』と呼ばれる

現象が起こることがあるそうです。私はこの説明の中の、『台風のダンス』と呼ば

れることもある、と言う点に惹きつけられてしまいました。

 

本日の日経ネットには更にこの『藤原の効果』について詳しい記事が出ていました。

『2つの台風が迷走「藤原の効果」2012年も起きていた』

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2301L_T21C13A0000000/

 

これによると、『藤原の効果』とは、2つ以上の台風が接近(中心同士の距離が凡そ

1000キロ程度)するとお互いに干渉しあって急に向きを変えたり動きが遅くなった

り複雑な動きをすること、とあります。パターンとすると次の5つが挙げられています。

 

1.片方の台風が、もう片方の台風を回るように動く(指向型)

2.片方の台風の後を追うように、次の台風も同じような進路をとる(追従型)

3.東側の台風が北上するまで、西側の台風は動きが停滞する(時間待ち型)

4.二つの台風が並んで進む(同行型)

5.東側の台風は北東方向に進み、西側の台風は西へ進む(離反型)

 

この1.のパターンが『台風のダンス』と呼ばれるのですね。

 

最近でも『藤原の効果』が起きていたそうです。例えば2009年の台風17号と

18号。この時は遥か南方のフィリピン近海での動きであったようで、西側の17

号が後から発生した18号の影響からルソン島を何度も行き来したようです

(上のパターン3.でしょうか)。このため17号は発生から消滅まで15日弱か

かり、歴代7位の長寿台風になったとあります(18号はそのまま北東進を続け

愛知県に上陸)。

 

もう一つは昨年8月下旬の台風14号と15号。台風14号は一旦台湾を通過

した後に再び沖縄へと戻り、一方の15号は過去最大級の警戒を呼び掛けた

超大型の台風で結果としては記録的な暴風にはならなかったものの、進路

となった朝鮮半島に大きな被害をもたらしたものです。

 

今回の27号、28号は現在それぞれ気圧が965hPaと905hPa。28号は超

大型の猛烈な低気圧です。『藤原の効果』ゆえに複雑な動きをしかねず、

動きを予想しがたいために、進路の予報円が大きくなっています。常に最新

の情報をチェックし、事前に十分な準備を心掛けて下さい。

 

甚大な台風の被害がないように望むばかりです。