2013.11.05
秋の行方~菊祭りの楽寿園
あれもこれも担当の千葉です。

 

暦の上では秋も暮。あとわずかで立冬です。

 

敬愛する山本健吉氏に拠れば、四季の中で春と秋は行過ぎるのが惜しい季

節なので『行く春』、『行く秋』の季語があり、行く夏、行く冬とは言わないし、

『春惜しむ』、『秋惜しむ』とは言うが、夏惜しむとは言わず、『冬惜しむ』は『年

惜しむ』の意味で使われる、とあります。

 

そんな秋の暮の一日、ゆっくりと三島の宝、楽寿園を散策してみました。

 



11月1日に、楽寿園の中にある三島市郷土資料館がリニューアル・オープン

しました。耐震補強を含め、リニューアル工事をさせて戴いたので記念式典に

ご招待を受けたのですが、その時は他の所用でゆっくりできず、改めて散策を

兼ねて訪れました。常設展示では三島宿や三島の職人分布、三島ジオサイト

などが楽しめます。記念企画展の『偉人たちの足跡を訪ねて』は、頼朝、足利

義詮(よしあき、室町幕府2代将軍)、家康、家光などの武家から芭蕉、太宰、

井上靖などの文学者の三島での足跡が紹介されています。また、もう一つの

記念企画展示『古今伝授のまち、三島と郡上大和』も興味深いです。



楽寿園ではちょうど菊祭りが開催されています。今年の展示は例年になく大掛

かり。ご覧の写真は『会津 鶴ヶ城』。満開になったらさぞ絢爛なことでしょう。

福島復興支援への義捐金の寄付も受け付けていました。



見事な鉢植えの菊。種類も豊富です。



こちらは『初雪と紅葉の富士山』。こちらも満開が楽しみです。



園内で見つけた秋の暮。お茶の花。株によってはもう実を付けているものも

あります。



同じく園内の山茶花(サザンカ)。

 

チャノキも山茶花も学名に『カメリア』が付くようにどちらもツバキ科の花。

どちらも椿(ツバキ)同様、茶毒蛾がつくので同類だとわかるのだと我が家

の師匠から聞きました。

 

ゆっくり園内を見て回り、正門に辿り着いたのが5時の閉園の20分前。な

のに正門は閉まっていて、もう駅前口しか開いていないとの掲示。自分の

不注意さと園の不親切さを恨みながら再びぐるっと回って健康増進。お陰で

駅前で一服。消費カロリーを上回るカロリー摂取。これも秋の所為ですね。



これには後日談があって、如何に何でも閉園時間前に正門を閉じる訳がなか

ろうと思い至り、調べてみると案の定11月から3月までは30分繰り上がり、4

時半が閉園時間。職員の皆様、申し訳ありませんでした!

 

自分の思い込みの愚と、『自分が源』と言われるように原因をまず自分に求め

る前に、自分以外に求めてしまった自らの愚を、改めて反省する秋の暮となり

ました。