2014.03.09
辻村寿三郎人形展とシャガール展
あれもこれも担当の千葉です。

 

先日三島の佐野美術館( http://www.sanobi.or.jp/ )で開催中の辻村寿三郎人形展を

見て来ました。



ウィキペディアに依ると、辻村寿三郎(ジュサブロー)は1933年の生まれ、現在80歳。

劇団の小道具係りから26歳の時に人形師として独立。1961年の現代人形美術展に

入選以来人形作家としての揺るぎない地位を確立して行きます。

 

今でも鮮明に記憶に残っているNHKの『新八犬伝』は1973年。それはそれは強烈な

印象を日本中に焼き付けたことでしょう。学校で仲間と登場人物の真似をしながら、毎

回の展開に話に花が咲きました。1975年には同じくNHKで『真田十勇士』。

 



今回の『平家物語縁起~清盛、その絆と夢~』は、ここ5年にわたり辻村氏が作り続け

て来た100体弱の人形の数々です。全ての因果の元の白河天皇から始まり後白河法

皇まで、源平・摂関家その他諸々の平家物語の登場人物が、『歴史だけが真実ではな

い』という辻村ワールドの中で蘇ります。

 



人形の衣装・デザインには殊更こだわったとの辻村氏の言葉通り、妖艶、幽玄な美しさ

の中にもリアリティ溢れる人形になっているように思えました。NHKの大河ドラマでは、

尾上菊之助の『源義経』(1966、これだけ私にはあまり記憶がありません)、仲代達矢

の『新平家物語』(1972)、タッキーこと滝沢秀明の『義経』(2005)、松山ケンイチの

『平清盛』(2012)と、源平時代が4回取り上げられていますが、衣装のイメージは『平

清盛』に近く、煌びやかさよりもリアリティに優れている印象です。制作年次を考えると、

辻村氏の人形が大河ドラマの影響を受けたというよりも、大河ドラマが辻村氏の人形の

影響を受けているのではないかと思ってしまうくらいです。



3月30日(日)までの展示ですので、春めく暖かな日に是非ともお足を運ばれてはいかが

でしょうか。

 

尚、同時開催展示されていた『佐野美術館のおひなさま』も素晴らしかったです。中でも、

緒明家のお雛様の見事さは格別でした。こちらも必見ものです。

 

もうひとつ。静岡市美術館で開催中のシャガール展。



今回の展示は、絵画ばかりでなく、ステンドグラスやタペストリー、陶板画、舞台衣装まで、

シャガールの多才な活動分野が見られる充実の展示です。絵画も、下絵の展示が多く、

一点の作品が産み出される過程が判るようでとても優れた企画だなと感じました。中でも、

パリ・オペラ座の天井画の下絵の数々は圧倒的でした。

 

こちらも3月30日までの展示です。

 

静岡へ出たついでは、我が家の定番、清水の草里(ぞおりー)でケーキを求めました。