2020.06.02
アメリカ西部・巨石奇岩グランドサークルの旅~フォーコーナーズを目指して
あれもこれも担当の千葉です。

 

 

新型コロナ禍もどこか他人事、これほどまでに深刻になろうとは思っ

てもみなかった春まだ来の頃、日経新聞にナショナル・ジオグラフィ

ック社の写真が掲載されました。

 



アメリカ西部ユタ州にあるブライスキャニオン国立公園の、蝋燭のよ

うな奇妙な形をした巨石群です。これを見た瞬間、30年前の想い出が

鮮やかにフラッシュバックしました。駐在地のロサンゼルスを立って

ラスベガス(ネバダ州)で一泊した後、ユタ州とアリゾナ州の州境を

挟んで横たわる広大な砂漠の中に数多く存在する巨石・奇岩の自然公

園を巡ってロサンゼルスに戻るという、車で2泊3日の大自然に触れ

る旅でした。

 



ご存じグランドキャニオン(国立公園)。セスナ機での遊覧飛行は突

然のアップダウンの連続で、とてもスリリング。スケールの大きさに

ビックリするばかりのこの旅の中でも、最も広大な景色でした。



 

 



こちらがブライスキャニオン国立公園。蝋燭というかゴシック建築の尖

塔のような奇岩が林立する景観はかなりインパクトの強いものでした。



 

 



そしてジョン・ウェインの映画『駅馬車』でも有名なモニュメント

バレー。こうしてグランドキャニオン⇒ブライスキャニオン⇒モニ

ュメントバレーと並べてみると、隆起した台地が風雨によって風化

・浸食されて行く過程がよく判り、自ずから悠久の時間を想像させ

ます。

 



 



モニュメントバレーの中にあるロッジで二泊目をとりました。確かチ

ェックインが夕日の時間に間に合わず残念でしたが、ビュートと呼ば

れる岩山がポツリポツリと散らばるだけの広大な砂漠の真っただ中、

一つの灯りも物音もしない完璧な静寂の中で見た星空や日の出は格別

だった覚えがあります。



 



 

 

ブライスキャニオン以外にも、グランドキャニオンからモニュメント

バレーまでの間のユタ・アリゾナ州境沿いには数々の自然公園があり、

その一つ一つが個性的で魅力的です。本当なら二泊三日の強行軍では

全くもって勿体ない景観ばかりです。

 



グランドキャニオンからブライスキャニオンを目指す途中にあるのが

ザイオン国立公園。カリフォルニア州のヨセミテ国立公園に匹敵する

ような巨岩が印象的です。



 



そしてブライスキャニオンからモニュメントバレーを目指す途中で偶

然にも立ち寄ったパウエル湖。コロラド川を堰き止めた人造のダム湖

ですが、言いようもなく入り組んだ複雑な喫水線、重なる地層のリズ

ム感ある景観は、予定にはなかったものの、この旅の忘れ得ないハイ

ライトになりました。チャールトン・ヘストン主演の映画『猿の惑星』

のロケ地だとの説明もありましたが、地球離れした(映画では実は未

来の地球なのですが)景色に、成程と思いました。



 



時間がなくて後ろ髪を引かれながらも立ち寄れなかったレインボーブ

リッジやグレンキャニオン国立保養地も、次の機会があれば訪れたい

場所です。

 

殆どが岩山や砂漠の中の道中、片道1200km・二泊三日の強行軍を

思い立ったのは、どうしても行ってみたい、立ってみたいところがあ

ったからでした。

 



それが、フォーコーナーズと呼ばれる地点です。全米50州の中で、

唯一、4つの州が一点で交わるところなんです。



片足一本で、ユタ・アリゾナ・ニューメキシコ・コロラドの4つの州

を跨ぐことができるという、この地点に憧れて計画した強行軍、実際

に辿り着いて立ってみれば、周りに何にもない、本当に何にもない

(30年前には施設らしい施設もなく、ただプレートと標識があった

だけでした)素っ気ない風景でした。



 



(黄色い丸は、左からラスベガス、グランドキャニオン、ザイオン、

ブライスキャニオン、パウエル湖、グレンキャニオン、モニュメント

バレー、フォーコーナーズ)

 

幾つもの自然公園が存在する、パウエル湖を中心とした巨大な円を、

グレート・サークルと呼ぶとは、ずっと後になって知ったのですが、

この旅の目的地のフォーコーナーズには少し肩透かしを食いましたが、

そこまでの数々の雄大な景観は生涯忘れ得ないものとなりました。