2017.02.17
読書録ならぬ徒然映画鑑賞録
あれもこれも担当の千葉です。
このブログに、時折読書録を書いています。今日は読書ではなく、映画を鑑賞した
記録を留めておこうと思います。いわば徒然読書録ならぬ、徒然映画鑑賞録です。
昨年末の日経新聞に2016年の邦画の上映作品の回顧録のような記事が乗りました。
そこで紹介されていた17作品のうち、昨年に見たものは1作品しかなかったことに
発奮し、今年は意識して鑑賞しようと遅れ馳せながらロング・ラン上映を続けている
作品を鑑賞しました。
日本のアニメ作品史上屈指の興行成績を上げており、東南アジアでも人気の映画
『君の名は。』。意識だけが入れ替わるという設定も、タイム・スリップという設定も
良くあるものですが、今回は、遠く離れた場所にいる同い年の男女の意識が時折
入れ替わる、しかも3ヶ月のタイム・ラグを伴ってという設定で、隕石から街を救う
ために二人が巡り合うには多少複雑な手続きが必要でした。
幾分凡庸なストーリーにもかかわらずこれほどの興行成績を収められたのは、恐らく
アニメとしての絵の圧倒的な綺麗さ・精度のおかげではないかな、と感じました。
もう一つ昨年話題になったアニメ映画が『この世界の片隅に』。日経の回顧録では
先頭に取り合上げられており、『日本アニメの到達点』と最上級の賛辞で評されて
いたものです。
広島に暮らす純朴な少女がやがて18才になり、見知らぬ(と思っていた)呉の男性
に請われて嫁入りをします。その呉での暮らしぶりが淡々と丁寧に描かれて行きます。
淡々とした日常に忍び寄る戦争の影、そして呉の空襲、広島の原爆。
確かに資料をあたり、時代考証も経て描かれているという意味で、これが卓抜した
アニメで『リアリズムの極致』と評される所以でしょうが、戦争と原爆を庶民の日常
生活から淡々と、本当に淡々と描いた点が優れていると感じました。
この映画は呉や広島の市民を中心に立ち上げた組織が、クラウド・ファンディングで
集めた資金で制作した自主映画だそうです。おまけに劇的な展開が少ないストーリー
であるにもかかわらず、評判が評判を呼んで上映地域も広まり、ロング・ランを続けて
いるのは、まさに淡々とした丁寧さにあるのだろうと感じました。そのためか、見終わった
時の感動も、ほんのりじわじわとしたものでした。
因みにお見合いまで会ったこともないと思っていた夫は、、、。最後に種明かしも心温まる
ものでした。
もう一本はアニメではなく実写映画、『湯を沸かすほどの熱い愛』。
余命2か月と宣告された母が、家族のためにしておきたいことをやり遂げて行く物語。
主演の宮沢りえと子役の素晴らしい演技も相まって、上映中に何度も何度も感動の
津波が押し寄せました。年齢と共に涙腺が緩んで来たせいもありますが、久しぶりに
上映後目が腫れぼったくなるほどまで涙が零れました。
この映画では伊豆の戸田(現在は沼津市戸田)の光徳丸さんが経営する食事処『かにや』
がロケに使われていました。(暖簾で隠れてお顔が見えなかったのはもしかして光徳さん
の方かな?)、高足ガニの食べた後の殻の大きさが印象的で、なぜか誇らしくなり
ました。
熱さを修飾する表現として『湯を沸かすほどの』とは奇妙な題名だなぁと思って
いましたが、最期にとんでもない展開があって納得。これから見る方にはどうぞ
お楽しみに。
今回の映画鑑賞では、どの映画も夫婦割引を利用しました。夫婦のどちらかが50歳
以上ならば二人とも1,100円の割引価格となります。
以前チケット売り場でこれを薦められた時、50歳以上であることは免許証で証明できる
けど、夫婦であることの証明は難しいかも、、、と話したところ、そこは不問とのこと
でした。あ、因みに正真正銘の夫婦で行きましたよ、どれも、はい。