2014.06.24
西草深の洋館~ヴォーリズ建築
あれもこれも担当の千葉です。
夏至を過ぎて、お日様の通り道も南へ折り返しました。ついこの間までは早く暖かく
なって花々が咲き乱れる季節を首を長くして待っていたのに。月日の経つのは早い
ものだとつくづく感じます。先日も静岡市に住む友人が素敵なことを始めるレセプション
にお招き戴き、65年の歳月を感じて来ました。
この友人が始めたのは、『西草深の洋館レストラン ミス・カニンハム』。
http://miss-cunningham.com/
1950年、戦後間もない時に、英和女学院の宣教師館として建てられた木造洋館を、
住まいながら使いながら文化財としての保存を目指そうとして、この素晴らしき友人
ご夫妻が、レストラン/サロンとしてオープンさせました。
この洋館の設計者はW.M.ヴォーリズ。日露戦争終結の年、1905年に英語教師として
来日した米国人(後に日本に帰化)。明治の終わりから戦後まで彼の手掛けた建物は数
多く、ヴォーリズ建築と呼ばれているとのこと。その代表的な作品は関西学院大学の建物群
ですが、校舎や住宅の他にも、熱心なプロテスタントであったことから教会建築も多い。
ウィキペディアによれば、建築家としての高名さばかりでなく、驚くことにメンソレータムで
知られる後の近江兄弟社の創業者の一人としてもその名を歴史にとどめています。
他の作品は訪れたことがないので、ヴォーリズ建築とは、と大上段に構えることは
出来ませんが、この西草深の洋館は、南面からの光を最大限に採り入れ、北或いは
西への風通しにも配慮が行き届いています。華美な装飾はなく、とても質実・合理的な
建物だなと感じました。(当時としてはそれがとても斬新だったことでしょう。)
事前の予約制となっていますが、こんな素敵な建物でのプライベートな食事のひととき、
とても素敵だと思われませんか?