2015.10.12
宮西達也ワンダーランド展と春画展~芸術の秋
あれもこれも担当の千葉です。

 

食欲の秋、読書の秋と色々ですが、先回の『仕事の秋』に続いて今回は芸術の秋

です。

 

先日、三島が誇る佐野美術館でとても風変わりな展覧会がスタートしました。『宮西達也

ワンダーランド展』。横浜高島屋に始まり、全国4か所を巡って来た後の、ご当地三島での

展覧会。晴れの凱旋です。11月23日まで開催しています。

 



 

開会前日に宮西さんをお招きしてのレセプションがあって出席して来ました。

 



 

宮西さんは駿東郡清水町に生まれ、現在は三島市に在住の絵本作家。日大三島高を経て

日大芸術学部を卒業、一旦はデザイン会社に就職するも、26歳で退社、絵本製作を開始

します。親しみやすくシンプルで力強い作風は印象強く、皆どこかで見たことがあるものばか

りですね。

 



 



 



 



会場には楽しくなる工夫も一杯。絵本のキャラクターとの記念撮影コーナーがあったり、



 

絵本からキャラクターが飛び出していたり、



 

レセプションには絵本の主人公のキャラクターの着ぐるみも駆け付けてくれていました。



また、東洋一の湧水量を誇る柿田川のある清水町のマスコット・キャラクター『ゆうすいくん』

は宮西さんの作品ですし、清水町を舞台にした絵本も書いています。

 



 



 

レセプションでのスピーチや館内での解説にも気さくで暖かいお人柄が滲み出ていましたが、

定期的に三島市の幼稚園を巡回して、直接『読み聞かせ』をされているそうで、子供達に

絵本や書籍を通して夢を持ち、豊かな心を育んでもらおうとの活動も、宮西さんの郷土愛の

一端だろうと感心しました。

 

 

さてもう一つは東京目白台は永青文庫で開催中の『春画展』。こちらは12月23日までの

開催です。

 



 

テレビでもニュースになっていましたが、大英博物館で開催され、世界的に評価の高い

日本の春画だけを集めた企画です。日本ではなかなか受け入れてくれる美術館や施設

が見つからず、ついに細川元総理が細川家の施設、永青文庫での開催を受け入れた

ことでこの度実現したものです。

 



 

春画というともちろん浮世絵が有名で、欧米では巨大な男性器のことを『utamaro』と

呼ぶこともあるくらいですが、 室町時代の狩野派にも春画があり、時の貴顕の方々に

送られていたとのこと。特筆すべきは、葛飾北斎にしろ喜多川歌麿にしろ、当代一の

画家たちが、お金に困ってではなく極々普通に表の仕事と裏の仕事(春画)をこなして

いたということです。表と裏、建前と本音、時にはのびやかに、時には人目を憚るように

して、日本には古くから性に係わる文化が受け継がれて来ていたのかも知れません。

 



 

買い求めたポストカードは、2枚の喜多川歌麿(上)と2枚の葛飾北斎(下)。

 



 

当代一流の画家によるものなので、芸術性の高さは疑いようがありませんが、やはり

局所を即物的に描写したもの(全体の半数以上に上る量でしたが)は人前で凝視する

のが躊躇われました。また絵に添えられている文章は、思わず吹き出してしまうような

擬音混じりのポルノ小説もどきもの。こうした春画が現代のポルノ雑誌の役割をして

いたことの査証なのでしょう。会場には私のような男性お一人様の来場者は少なく、

カップルや女性の来場者が圧倒的に多かったのには少し驚きました。

 

会場となった永青文庫は、今でも細川家の管理する美術館。昭和初期の木造洋風建築。

 



 

目白椿山荘は出入りできますが、隣接する周囲には、和敬塾や蕉雨園など、細川家由来の

ものやそうでないものも含め、中を覗いてみたい施設が盛り沢山。

 



 



 

そういえば、目白駅から永青文庫まで案内してくれたタクシーの運転手さんが博識で、

作家の村上春樹氏がこの和敬塾に入寮していたことがあり、小説『ノルウェーの森』の

主人公の入っていた寮のモデルだと教えてくれました。

 

目白駅への帰り道、バス停までの間に素敵な建物を二つも発見!

 



丹下健三氏の設計になる東京カテドラル教会。そして、

 



野菜倶楽部oto no ha Café。富士市にあるオトワファームさんのお店を偶然にも

発見。時間がある時にゆっくり来てみたいと思いつつ、やって来るバスに乗り込み

ました。