2020.08.03
今年の梅雨と台風~『いつもと違う夏』
あれもこれも担当の千葉です。

 



 

ここ東海地方では、今年は梅雨明けが8月にずれ込む長梅雨がやっと

明けたと思ったら急に真夏日・猛暑日となって厳しい夏の気配。もう

少し穏やかに緩やかにと願うのは、年をとって体力が衰え始めている

からでしょうか。観測史上初めて今年は7月に台風の発生がなかったと

の先日の新聞やテレビのニュースを見て、気象庁のホームページで台

風と梅雨の記録を見てみました。

 

 

 

先ずは東海地方の梅雨について見てみると、記録は1951年(昭和

26年)からありました。梅雨は一旦梅雨入り・梅雨明けを宣言した

後に、振り返ってその日にちを修正するため速報値と確定値がありま

すが、今回はまだ速報値しかない今年を除いては確定値を使いました。

 

5月中に梅雨入りしてしまったのは過去70年間で9回、その多くが

5月の下旬か末頃ですが、1963年(昭和38年)だけは5月4日

頃に梅雨入りしており、これが最も早い梅雨入り記録です。逆に最も

梅雨入りが遅かったのは1951年(昭和26年)の6月28日です。

 

梅雨明けで言いますと、6月中に明けてしまったのは1回のみ、最も梅

雨入りの早かった1963年(昭和38年)の梅雨明けが6月22日頃

で、梅雨明けが8月にずれ込んだのは速報値ではありますが今年を含め

て3回、最も遅かったのは2009年(平成21年)の8月3日頃です。

それ以外の年は全て7月中の梅雨明けとなっています。

 

梅雨の長さ(日数)で言いますと、70年間で30日未満の年は11回、

50日以上は15回。最も梅雨が短かったのは21日間で過去3回。

1951年(6月28日~7月18日)、1958年(6月25日~7

月15日)、1960年(6月21日~7月11日)です。逆に最も長

かったのは梅雨明けの最も遅かった2009年(平成21年)で、何と

62日間(6月3日~8月3日)と、最も短かった年のおよそ3倍、丸

々2ヶ月にわたって梅雨が続きました。

 

70年間の平均値・平年で言いますと梅雨入りが6月10日頃、梅雨明

けが7月21日頃、日数では44日間となり、今年の梅雨は、平年並み

の梅雨入り(6月10日頃)~とても遅い梅雨明け(8月1日頃)、日

数も53日間と平年の44日間を大きく上回る長梅雨だったことが判り

ます。

 

因みに、1993年(平成5年)は時期がはっきりしないということで、

梅雨明けの確定記録がありません。

 

 



 

次は台風の記録です。こちらも1951年(昭和26年)からの70年

間の気象庁の記録があります。

 

驚いたことに、過去70年間の『発生』で言えば、1月~12月まで全

ての月で台風は発生しています。最も少ないのが2月で18件。次いで

1月と3月の27件。最も多いのは8月の382件、次いで9月の342

件、7月の268件、10月の255件となっています。そしてこの

台風の多い7月、8月、9月、10月は過去70年間で、一度も台風の

『発生』しなかった年はありませんでした。それが今年初めて7月の

『発生』がなかったので、これはニュースになる訳ですね。7月が終

わり梅雨明けとともに8月になると立て続けに台風3号と4号が発生

しました。

 

年間の『発生』件数で言うと、最少が2010年(平成22年)の14

件、最多が1967年(昭和42年)の39件、平均では25.6件と

なっています。

 

 

ついでに台風の『上陸』(北海道・本州・四国・九州のみ)の件数も見

てみました。12月~3月の4ヶ月間は過去に『上陸』した記録があり

ません。4月と11月がそれぞれ1件、5月が2件。『発生』と異なり

『上陸』は圧倒的に7月(34件)、8月(73件)、9月(67件)

の3ヶ月に集中しています。平均『上陸』件数は2.7件。最多『上陸』

件数は2004年(平成16年)の10件。『上陸』が1件もなかった

のが過去4年ありました。

 

今回は数字の羅列のみで退屈なものとなってしまい恐縮です。近年日本

各地で水害が多く、増してや今年は新型コロナ感染症の対策に息が抜け

ない夏、『いつもと違う夏』になります。台風の被害の少ないことを願

うばかりです。どなた様もどうぞご自愛下さい。